水産消費動向の変化

過去40年間で、生鮮魚介類の1人1年当たり供給量は増加していますが、1人1年当たり購入量は逆に緩やかに減少しています。単身者1世帯・2人世帯の増加や、女性の社会進出で、外食や中食による摂取が増えた分、食料支出額に占める外食と調理食品の割合が大きく伸長したからです。
生鮮魚介の供給量が増加しているのに購入量が減少しているもう一つの理由は、消費者が日ごろ最もよく購入する魚介類が「切り身」や「刺身」であり、頭や骨といった不可食部(約45%)が除去された上で購入されるようになったことがあげられます。


消費者の購買行動と意識

消費者が食料品を購入する際に注意する点は、鮮魚と野菜は「鮮度や品いたみの程度」が多数。購入店も「鮮度」で選ぶ傾向があるようです。
鮮魚を購入する際、最もよく利用されているのはスーパーマーケットで、その理由は「便利な場所だから」などの利便性、鮮魚店は約9割が「新鮮なものが多いから」で鮮度の良さ、生協などの宅配は「品物に安心感があるから」などの安心感。また、少数ながら鮮魚店は対面販売の良さを生かして、調理法をアドバイスして旬の魚をすすめたりするなどのきめ細な顧客サービスや、市況に応じて多種多様な旬の魚を提供する季節感ある店づくりで量販店との差別化を図っています。
しかしスーパーマーケットは大型店舗を多数有し一度に大量の商品を計画的に仕入れる為、取り扱い品目がマグロ、鮭といった流通量の多いおなじみの魚かロットがまとまった輸入品が中心となる傾向があり、その為日本の沿岸や近海で獲れる多種多様な旬の魚を十分に供給しにくい面もあります。


魚価の消費地高・産地安の実態

小中学生の子どものいる家庭の6割近くは、夕食に魚介料理を食べる頻度が週2日以下。その理由は「肉より割高だから」が最も多く約4割です。一方、漁業者から見れば「燃油価格の高騰が続く中、魚価は低迷しており、燃油代も稼げない」のが現状。魚価についての認識は生産者と消費者で大きく異なっています。例えば、サバはサイズによって「生鮮向け」「加工向け」「飼料向け」に分けられますが、その産地価格は用途によって大きく異なっており、「生鮮向け」と比べて「加工向け」は2分の1、「飼料向け」は10分の1になっています。店頭で販売される「生鮮」小売価格(1キロ:533円)と比較すると「生鮮」産地価格(1キロ:223円)は4割程度ですが、「生鮮」「加工」「飼料」を平均すると産地価格(1キロ:98円)は2割にも満たない水準になってしまいます。その為、産地価格の高い「生鮮向け」の魚を中心に漁獲したり、サイズが小さく「飼料向け」とされる魚を養殖して食用サイズにまで大きくしてから出荷するといった付加価値向上のための創意工夫が産地での課題とされています。


産地による販売力強化の取り組み

消費者ニーズは、鮮度・利便性・低価格と多岐にわたり、年齢層によっても求めるものは違います。そんな中で鮮度や多様性・季節性といった国産水産物ならではの特長を活かして販売強化に取り組んでいる事例をいくつかご紹介します。
・安全性と品質の向上に向けた銀鮭養殖
 宮城県の「伊達のぎん」は、独自開発の餌で高品質化を図り、生産履歴の開示(トレーサビリティ)で商品の信頼確保に努めています。→宮城県漁連http://www.jf-net.ne.jp/mggyoren/
・観光地化とともに地産地消を促進する産地海鮮市場
 鳥取賀露港の「かろいち」は、地元の海産物を活用した新たな観光拠点として成功。「安くて新鮮」を求める人でにぎわっています。→「かろいち」http://www.karoichi.jp/index.html
・インターネットを利用した鮮魚の産地直送サービス
 新鮮で美味しい天然魚を産地直送で消費者に提供する「にっぽん地魚紀行」。提携している生産者は全国6か所の漁協で、消費者はホームページから産地を指定して発注できます。利用者に応じた販売セットメニューも充実しており、その日に水揚げされた魚をその日のうちに産地から発送することで高鮮度で美味しい魚を提供しています。
→「にっぽん地魚紀行」https://www.j-sakana.jp/



関連リンク

農林水産省/平成17年度水産の動向、平成18年度水産施策より



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